◆東日本大震災:京都から竹送り、宮城のノリ養殖再開支援◆

月光」の漁師とNPOのメンバーたち。京都から運んだ竹は新調した育苗網にピタリと合った=宮城県東松島市で2012年9月7日、山内さん提供


東日本大震災の津波で大打撃を受けた宮城県東松島市月浜のノリ生産者たちが近く、養殖を再開する。育苗網に使う大量の竹を京都市のNPO(特定非営利活動法人)が京都府内で調達し、現地に届ける手はずになったためだ。同府内では管理が行き届かない竹林が7割に上るとされ、その一部を利用する。被災地漁業の再生と京の里山の再生を同時に目指す取り組みだ。
 府内で繁茂した竹を有効利用するNPO京都発・竹・流域環境ネット(吉田博次事務局長)が企画。1.4メートルに切った細い竹を貝がつかないよういぶし、網のロープをはめる刻みを先端に入れた。第1陣の2000本を7日にトラックで奥松島に運び込み、新しい網にはめ込むのを手伝った。近くさらに4000本提供するという。
 奥松島は日本三景の一つの松島を守る形で津波にのまれ、月浜のノリ養殖施設は壊滅状態。若手漁師ら7人は今春、再建に向けた生産グループ「月光」を発足させ、ホームページで1口1万円のオーナーを募り始めたが、ヤハズと呼ぶノリの育苗網を作り直すには大量の竹がいる。先端の加工も必要で、人手不足も難題だった。


毎日新聞 2012年9月11日‎
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